過去ログ - 文才ないけど小説かく(実験)4
1- 20
538:明るい未来1/3 ◆kbHlbuKuKQ[sagesaga]
2013/09/02(月) 21:26:03.53 ID:dv/UnNJZo

 兄の白い寝顔。ここはほんとうに、なにもかも白い。白いし、四角い。まるで豆腐の中にいるみたいだ。
さしずめ兄貴は豆腐の住人か――そう思ってもう一度兄の顔を見る。すると、かすかに眉間が痙攣して、薄らと目を開いた。
「――おお、妹よ」
 そう言うと、兄は「あああ……」大きなあくびをひとつした。
「眠い……」
「起こしてごめんね」
「いいよ、眠るのにも飽きた。咲也加、知ってるか? 目が覚めた時に『眠い』と感じるのは、目が乾いてて開かない
からなんだそうだぞ。錯覚なんだ」
「ええ? でも眠いよ、実際」
「それが錯覚のすごいとこなんだよ。脳に支配されているんだな、人間は!
だから、朝起きられなかったら無理やりにでも目を開いてればいいんだ。」
 寝起きでよくこれだけつらつら喋られるものだと、適当に相槌をうったところで、扉の向こうにおいてきた人のことを思い出した。
どれだけ抜けているのだ、私よ。
「今日は兄貴に会わせたい人がいてさ」
「うん?」
「呼んでくる。待ってて」
 入り口扉に向かって歩き出すと、途端に緊張してきた。でも、なんだかワクワクする緊張感だ。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/567.52 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice