891:マイナーな欝は戯言 5/5 (お題:チーズ) ◆/xGGSe0F/E[saga sage]
2013/12/08(日) 02:18:33.85 ID:+8bSjH2P0
僕がちょっとジョークを交えてそう言い、笑いながら隣を見ると、そこにはもう遥の姿はなかった。スマートフォンには
新着メールが受信されていた。遥からの『キモッ』と言う一言だけのメールだった。これだから女は嫌いなんだ。
眼下に広がるグラウンドを見つめる。先ほどから走っていた雪香は、いつの間にか全裸になって大声で笑いながら、万歳
のポーズで走り続けている。アイツは露出狂だったのか。まったく女の裸なんて気持ち悪いもの見せるんじゃないよ。最悪
なものを見ちまった。
僕はひどく気分が悪くなって、電話をすることにした。二度目のコールで目的の相手は出た。僕の部下だった。
「あっ、榊か? 十万やるから僕を踏んでくれないか? あ、あと人気のない場所を走る、露出狂の女を発見したぞ。なんか
バカそうだから拉致して薬打って誰かに売るかAVでも出させれば金になるんじゃないか? ああ、まあ現物を見てから判断
してくれ。うん、そう、踏んでくれるだけでいい。いつも通りだ」
そして僕は電話を切って、青空を仰ぎながら寝そべった。
全裸で笑っている雪香はまだ走り続けている。
僕は病気なんだろうか。
どうして平気で人を迫害する連中の方が、健常者として生きているのだろうか。アイツらの方が心の部応期だろう。自分が
正常だなんて思っているんだ。
僕は改めてこの社会が大っ嫌いになった。
そして射精した。
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