過去ログ - 文才ないけど小説かく(実験)4
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964:私(お題:久方ぶり)2/7
2014/01/22(水) 15:01:09.24 ID:9MEAyqUio
「そう、よかった」
医師は安心したという顔を見せて、書類に何かを書き込んだ。
「それで、とりあえずここに来てすぐにした検査では異常なかったんだけど、念のためもう
一度精密検査をしなきゃならないから。明後日までは入院してもらうね」
「あ、そうなんですか」
「いいなー明美学校サボれんじゃん」
「よくないわよ」
優子の言葉を美幸がたしなめる。いつもの光景になんだか私はホッとした。

 精密検査の結果も異常なし。私は退院してすぐに学校に通えることになった。
そうして迎えた最初の登校日、教室に入った途端に大勢の女子に囲まれた。
「大丈夫だった?」
「どこを打ったの?」
「後遺症とか無い?」
私はとりあえず検査の結果異常もなく、どこも痛くないことを説明した。
「よかったー」
彼女らはホッとした顔を見せた。どうやら本当に心配してくれていたようだ。私はそれが
なんだか申し訳なく、同時に嬉しくもあった。
「ねえねえ、落ちる時怖かった?」
「いや、覚えてないの」
「え、そうなの! 私の名前覚えてる?」
その言葉にクラスの皆が笑った。私も笑いながら答えた。
「覚えてるよー、槇原仁美ちゃん!」
仁美はその言葉ににっこり笑って言った。
「久しぶり。明美」

優子には私が落ちた階段に連れて行ってもらった。
「ここ。A棟の2階中央階段」
「うーん」
何の変哲もないごく普通の階段。特に足をひっかけそうなものもない。私はどうしてこんな
ところで躓いたのだろうか? ここに来ても記憶は何も戻ってこなかった。


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