過去ログ - ミュウツー『……これは、逆襲だ』
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29: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2013/07/13(土) 22:08:42.34 ID:G632siqIo
再び目が覚めると、日はすっかり傾いていた。
昼間よりだいぶ涼しくなっている。
無意識に、眉間に皺が寄っていた。
ミュウツー(不愉快な夢を見た……気がする)
ミュウツー(身体は、もう動かしても痛くなさそうだな)
だが、相変わらず力を発揮できる気配はない。
疲労のためなのか、別に理由があるのかは、自分でも分からない。
もうしばらく、無力な存在でいなければならないようだった。
チュリネ「おはよ! おなか いっぱい? おいしーかった?」
ミュウツー(ッ!?)
近づいてくる気配に、まったく気づけなかった。
さきほどのチュリネが、うろの入り口から自分を見ている。
チュリネ「げんき! じゃあ にーちゃんとこ!」
ミュウツー『に、「にーちゃん」……?』
相変わらず声は聞き取りづらい。
一方、こちらの伝達はテレパシーである。
こちらからの問いかけは、鮮明に届いているはずだった。
『にーちゃん』とは、なんだろうか。
人間の研究所にいた頃の知識を総動員する。
『にーちゃん』とは、『兄』の極めて砕けた言い方だ。
『兄』と呼ばれるのは共通の生みの親を持ち、先に生まれたオスの個体を指すはずだった。
ある意味で、『兄』のような存在は、たくさんいたといえるかもしれない。
自分より先に生み出された、呪いの子。
ガラス筒の中から出ることなく、消えていった『兄』や『姉』たち。
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