過去ログ - ミュウツー『……これは、逆襲だ』
↓ 1- 覧 板 20
796: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2014/04/21(月) 20:39:59.42 ID:TY0tlMqOo
……やはりすっきりしない。
今度は少しずつ、浮かび上がってくる。
薄く、細く、鋭く、涼しく、広々としていく。
一瞬のまどろみから醒めたような気分だった。
唐突に、ぱちん、と蝋燭の弾ける音が耳に入る。
『耳』が、自分の外側を向いた証拠だった。
今度は『目』も外に向けてみる。
すると、アロエの姿が見えた。
怪訝そうな、どちらかといえばむしろ心配するような表情を浮かべている。
アロエ「……あたしに言いたくないんだったら、無理に言わなくてもいいんだけど」
アロエ「別に、尋問してるわけじゃないんだしね」
沈黙を、すなわち返答の拒否と受け取られてしまったようだ。
さすがにそんな意図はなかった。
ミュウツー『……いや……』
ミュウツー『言いたくない……というほどでもないのだが』
ミュウツー『“ここ”の中にあるものを、外に出すのは……』
容易ではなく、また抵抗も強かった。
それを、どう言えば誤解なく、自身の意図から離れないように伝えることができるのだろうか。
身体の真ん中を指しながら言う。
視線もまた無意識に、自身の指の指す先を向く。
ミュウツー『……“難しい”』
アロエ「うん、それなら、そう思う気持ちの方を大事にしな」
アロエ「何かを嬉しいとか楽しいと感じることができるって」
アロエ「それは、本当に素晴らしいことなんだ」
アロエ「もちろん今のキミみたいに、“難しいなぁ”って、思うこともね」
ミュウツー『……そんなことが、そこまで重要なのか?』
アロエ「本当に、『そんなこと』、だと思う?」
1002Res/839.71 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。