過去ログ - ミュウツー『……これは、逆襲だ』
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798: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2014/04/21(月) 20:48:38.26 ID:TY0tlMqOo
ミュウツー(……世界が広がるのか?)
ミュウツー(心が育つ……)
ミュウツー(それが、そんなに大切なことなのか?)
アロエ「うん、楽しいよ」
アロエ「人間だったら、母親がやってあげることが多いかな」
アロエ「……まあ、なにも親がやらなきゃいけないわけじゃないし」
アロエ「するのもされるのも、機会があると、とてもいいと思うんだけどなぁ」
ミュウツー『……では、お前が読み聞かせてくれるのか?』
アロエ「いいの? あたしは別に構わないけど」
ミュウツー『い、いや……その……』
アロエ「あはは、やだな……そんな露骨に困らなくてもいいのに」
女はそう言いながら吹き出していた。
笑っているのに、眉尻は困ったように下がっている。
これは、呆れられてしまったのだろうか。
そう思うと、にわかに羞恥心が湧き上がった。
ぞわぞわと腹の内側を撫でる。
一矢報いてみようと言ったつもりだったが、不発どころか返り討ちに終わったようだ。
アロエ「でも、本当にしてほしければ、やってもいいよ」
アロエ「それに、自分で声に出して読んでみるのもいいかもしれない」
アロエ「この間からまた、よさそうな本をまとめておいたし、ね」
アロエ「……テレパシーでもいいのかねぇ」
そう言いながら、彼女は机の脇を指す。
ミュウツーからは、そこに何があるのか見えない。
見えないが、きっとそこにも本の山があるのだろう。
また、紙袋に詰め込まれているのかもしれない。
人間の女が、人間ではない友人のために選んだ本。
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