過去ログ - ミュウツー『……これは、逆襲だ』
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854: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2014/05/14(水) 23:55:07.11 ID:sqq1Nyjzo

言葉が途切れた。

ボッ、と蝋燭が音をたてて揺れる。


ミュウツー『……ところで、さっきの話に戻ってしまうが』

ミュウツー『心が目を閉じた状態というのは、表情や感情そのものが失われるのか?』

アロエ「……?」

アロエ「友達の中に、そういう子がいる、ってこと?」

ミュウツー『感情の起伏はあるのかもしれないが……ほとんど無表情だ』

ミュウツー『他のポケモンは、何を考えているかわかりやすい者が多い』

ミュウツー『やけに浮き沈みの激しい、よくわからない奴もいるが』

ミュウツー『それはそれで、違和感を覚えないこともない』

アロエ「そっか」


「うーん」と小さく唸り、アロエは考え込んだ。


アロエ「その子も、ポケモンでしょう?」

ミュウツー『そうだ』

アロエ「キミはその子のことが、心配なんだ」

ミュウツー『……わからない』


彼のことが心配なのだろうか。

自分で自分に問いかけてみる。


ミュウツー『わからないが……浮き沈みが激しい方も含めて、「気になる」』

ミュウツー『理由がわからないから、気にかかる……興味がある』

アロエ「興味、ねぇ……」

ミュウツー『私は、奴らと同種族の他の個体を見たことがない』

ミュウツー『だから、奴のあの淡々としたようすが、何に由来するものなのか、わからないのだ』

アロエ「……なんていうポケモン?」

ミュウツー『……なぜ?』

アロエ「特定の種族に多い気質っていうか、性格なんかもあるから」

アロエ「ひょっとすると、その子が精神的にどうこうではなくて、そもそもの種族的性質の可能性もある」

ミュウツー『……ううむ』

アロエ「あ、やっぱり言いたくないかな?」




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