過去ログ - ミュウツー『……これは、逆襲だ』
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872: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2014/05/15(木) 00:23:49.84 ID:bkaD2x5po






空は真っ黒だ。

よく見れば、よく比べれば、本当は『真っ黒』とも違う。

その『真っ黒』の隙間を縫い、吹けば落ちてきそうなほどたくさんの星が光っている。

すっかり眠りについた街には光源も少なく、ともすれば星空よりも暗いかもしれない。


来し方を見れば、『博物館』の白い建物は、もう指先よりもずっと小さい。

警備のための照明に照らされ、それが足元にぽつんと浮かび上がっているように見えた。

そこまで高度を上げているのに、やはり星に近づける気配すらないのが不思議だ。

今は見えない月も太陽も、きっと同じくらい遠いところに浮いているのだろう。


行く方を見れば、空ともまた違った黒さで佇む森がある。

あの中のどこで自分が寝起きし、どこで友人たちがいつも騒いでいるのか。

こうして見るとよくわからない。

友人たちは、ここからの風景を見たことがあるだろうか。

コマタナを運んだ時は、そんな気分でなはなかった。

だから、機会があれば見せてやりたい、と思う。


無性に、自分以外の誰かと、この眺めを共有したい気分になった。

このくらいの、暑くも寒くもない夜がいい。

とびきり酸っぱいきのみがあれば、なおいい。


まずは話をしてみなければならない。

チュリネはさておき、他の連中がすんなりと首を縦に振ることはないだろう。

ふたりとも、おおいに渋い顔をするに違いない。


だが、それを押し退けてでも連れ出す過程は、きっと、楽しいのだろう。

もしも彼らが誘いに乗ってくれたら、それはきっと、嬉しいのだろう。




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