過去ログ - ミュウツー『……これは、逆襲だ』
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890: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2014/06/01(日) 22:49:22.71 ID:S8p8k874o
やや高く、濁りはなく、にも関わらず、ささくれのようなひっかかりを覚える声。
人間に似ているようでいて、全く違う。
『あのひと』の声とも、まるで違う。
それなのに、この声もまた、ヨノワールにとってはやけに印象的だった。
誰の声なのかは、振り返らずともわかっている。
声の向こう側から、ずりずり、ごりごりという重そうな音も響いている。
何かを引き摺っているような音だ。
ゆっくりと振り返る。
木々の間に、自分よりかなり小さな人型のポケモンが立っていた。
月明かりでぼんやりと姿が見えている。
『彼』はやはり、根の部分がついたままの木を引き摺っている。
ヨノワール「わたしは……ねてた?」
ダゲキ「うん」
ヨノワール「ずっと?」
ダゲキ「たぶん」
彼の受け答えは、お世辞にも愛想がいいとは言えない。
実のところ、それはお互い様だったのだが。
この森にやって来て、初めて出会った頃から変わらない。
いつも無愛想で、何を考えているのか、いつもわからない。
ダゲキ「ぼく きたら、きみは……ねてた」
ダゲキ「それから あっち いって、かえってきたら……」
ダゲキ「まだ、ねてた」
ヨノワール「そうですか」
ヨノワール「あの……」
ヨノワール「あ、いや……なんでも……ないです」
会話が途切れる。
顔を見ると、ダゲキは特に続きを待っているような様子でもない。
興味すらなさそうだ。
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