過去ログ - ミュウツー『……これは、逆襲だ』
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919: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2014/07/22(火) 21:55:14.71 ID:aMV/BRFao
ミュウツー『……』
聴衆に気取られないように、こっそりと生唾を飲み込む。
この緊張ぶりは、自分でも意外なほどだった。
人間の女に借り受けた本のうちの一冊を、読んで聞かせるだけのことだ。
たったそれだけのことに、そんなに怖気づく謂れなどあるはずはなかった。
いつものように、得意のテレパシーで連中に聞かせればいい。
喉を鳴らし声を出せと言われているわけでもない。
伝えるものが自分の感情や意思ではなく、本に描かれた作り話という違いしかない。
頭ではそこまでわかっているのに、なかなか気持ちが追いつかなかった。
ミュウツー『話は……これで一応、終わりなのだが』
声を絞り出すように、友人たちに語り掛ける。
テレパシーであるにもかかわらず。
その言葉を合図に、眼前に並んで座っていた連中が顔を見合わせた。
彼らの心中はわからない。
沈黙がやけに耳に痛かった。
ミュウツー『……』
ミュウツー『……お……おい、何か言え』
友人たちが再びこちらに顔を向ける。
ジュプトル「ねぇ、なんで そいつ」
ダゲキ「『おてがみ』って」
チュリネ「チュリネも、『おてがみ』 する!」
イーブイ「ねえ、『おてがみ』って、おいしいの?」
そして、“生徒たち”は“先生”に言われた通り、一斉に口を開いた。
ミュウツー『待て! 一度に喋るな!』
イーブイ「えー……」
ジュプトル「……おまえが、なんか いえ、って……」
ダゲキ「うん」
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