過去ログ - ミュウツー『……これは、逆襲だ』
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933: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2014/07/22(火) 22:34:56.60 ID:aMV/BRFao
いつの間にか、指でこめかみのあたりを掻き毟っている。
ああして頭を掻き毟るしぐさは、研究所の人間がよく見せていた記憶があった。
主に、『私』に対する検査結果の不満を漏らす時に、だったが。
ダゲキ「あの さ、いま ぼくは……」
ダゲキ「その……なんだか、ふたりは わかるでしょ」
ダゲキ「でも、ぼくには わからない」
ダゲキ「ぼく は、しらない」
ジュプトルはミュウツーを無言で見る。
しぐさや目つきからして、彼の物言いに困惑しているようだ。
返事として首を横に振ってみせた。
『とりあえずは黙れ』という意思を示したつもりだった。
ダゲキ「そうしたら、あたまの ここ、いたくなったんだ」
ミュウツー(……これは、いい機会かもしれないな)
今さっきまで掻き毟っていたこめかみを、彼は長い指で示した。
次に、両手で顔をごしごしと擦る。
明らかに、外側に変化が出ている。
何を考えているのかまではわからなくとも、『考えている』ということが顔に出るようになった。
やはり、『持っていない』わけではなかったのだ。
それを表に出さなくなってしまったことの、理由はどうあれ。
……おそらくは、人間絡みなのだろうが。
他の連中と同じく持っていたはずの感情や表情を、容れ物に押し込め蓋をしていたのだろう。
何があったのかは知らないが、その蓋が緩みつつある。
ダゲキ「だ、だから……」
ジュプトル「……」
ダゲキ「……わかんない……」
ダゲキ「うまく いえない」
ミュウツー『……そうか』
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