過去ログ - ミュウツー『……これは、逆襲だ』
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968: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2014/08/20(水) 01:32:31.22 ID:uzzTTkrho
ミュウツーは、相手の言葉を遮るように『声』を発する。
押し止められて、ダゲキは困ったように口を歪めた。
ふたりが慰めを言うような相手なのか、少し考えればわかりそうなものだ。
こめかみがきりきりと痛む。
ダゲキ「ちがうよ」
ミュウツー『いいんだ。私の問題は、あくまで私の問題だ』
ミュウツー『それに、「違う」といっても、別にお前たちを貶したいわけではない』
ダゲキ「ちがう、ぼくは……」
ミュウツー『なんだ』
苛立ちが滲む。
だがこれも、『せっかくの機会』なのだろう。
彼が食い下がることなど、今まではほとんどなかったはずだ。
そう思い直してかぶりを振る。
それから、先を促す意味を込めて、ミュウツーはダゲキの目を見て待った。
右目が引き攣っている。
怒っているような、困っているような、あるいは悲しんでいるような。
相変わらず表情は何を言いたいのかわからない無様なものだ。
だが、彼が真剣に話していることだけはよくわかった。
ダゲキ「……ぼくは」
ダゲキ「きみが なに なやむか、わからない」
ミュウツー『そうだ。以前言ったのと同じだ。お前は何も』
ダゲキ「だから いってよ」
隣のジュプトルが、少し驚いたようにダゲキを見ている。
そのようすを見るに、意外さを感じたのは自分だけではなかったようだ。
ミュウツー『……言う気にはならない』
ダゲキ「どうして?」
ダゲキ「きみ は、ぼくのはなし、きいて くれた のに」
もちろん憶えている。
彼がやけに饒舌に喋っていた夜のことだ。
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