過去ログ - 恵美「もしも魔王の正体に気づかなかったら」短編集
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[sage saga]
2013/07/13(土) 19:13:15.35 ID:OcKQEmd6o
漆原「それもどうなのかなー」
鈴乃「……何?」
聞き返すが、漆原は鈴乃を振り向くことなく続ける。
漆原「いや、真奥がどう考えてるかは知らないけどね。何しろ僕ら、寿命だけはやたらあるし」
漆原「十年単位でこの世界に居座る可能性もあるかなって」
漆原「特にほら、ここで仕事と家庭を持っちゃったお父さんがいるしね?」
"真奥貞夫"と"遊佐恵美"は日本の法律上結婚はしていない。
が、同じく法律上の娘ではないとはいえ、アラス・ラムスという娘を持った。
彼らが今後、正式に夫婦という体裁を整えるかどうかは
――真奥に恋する千穂の友人でもある鈴乃には胃の痛い問題だが――分からないが、その子供への愛情は本物だ。
自分達の戸籍を取得したときのように、アラス・ラムスの戸籍まで作って本当に娘として申請しかねない。
鈴乃「貴様らはそれでいいのか? アルシエルなど、魔王軍の再起が悲願だろうに」
思わず敵の心配をするようなことを言う鈴乃に、漆原が笑った。
漆原「どうかな、あいつはあいつで孫の相手が楽しくなってきてるみたいだし」
孫、という表現はあながち間違いではなかった。
芦屋の真奥への献身ぶりは、部下のそれを超えて保護者と言ってもいいレベルだ。
魔王軍会議によって週に一日二日程度、家族で過ごすこととなった真奥に恵美、アラス・ラムスだったが、
今のところ彼らは、週に半分のペースで恵美のマンションに泊まっていた。
それにより真奥がいない日は心配気に顔を曇らせ、真奥と恵美が娘を連れてくると
顔をほころばせて(魔王軍の財政で可能な範囲で)豪勢な夕食を作る彼の姿は、
確かに息子夫婦と孫の相手が生きがいの人間のようにも見えた。
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