過去ログ - 恵美「もしも魔王の正体に気づかなかったら」短編集
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14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/13(土) 19:13:48.46 ID:OcKQEmd6o
漆原「あいつアラス・ラムスにはお菓子買ってやったりするんだよねー。僕が通販で買うと怒るくせに」

唇を尖らせ文句を言う漆原。
その姿に、鈴乃は疑問を抱いた。

鈴乃「……貴様らは、と聞いたぞ。貴様はどうなんだ」

鈴乃「腐っても、もと大天使、そして悪魔大元帥のルシフェルは、どう考えている?」

その質問に、漆原は手を止めて、考える様子を見せた。

普段の様子からは想像もつかないが、彼は人の身では想像もつかない遥かな年月を生き、
魔界にも天界にも通じた男だ。それがこの世界でのんびりと過ごしているのは、本意であるのか。

やがて漆原が口を開いた。

漆原「……逆に聞くけど、お前は自分達の現状をどう思う?」

鈴乃「……どう、とは?」

漆原「魔王と勇者と女子高生と悪魔と異端審問官が、仕事に遊びに……いや僕は仕事してないけど」

漆原「とにかく充実した日々を送って、仲良くしてる現状をさ」

仲良く、の範疇に自分を含められるのは心外な鈴乃だったが、確かに――
それは奇跡と表現しても過言ではない状態だろう。

漆原「僕の生きてきた年月から比べれば、ここに来てからの時間はほんの短いものだけど」

漆原「いや、だからこそかな。多分そんなに長く続かないこの時間を眺めてるのは、結構悪くない」

そう言う漆原の顔は、どこか遠くを見ているようで、鈴乃は何も言えなかった。


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