過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.15
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144:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/09/15(日) 01:45:44.12 ID:XyrDTFDZo

あの衝撃の日から、一体どれだけの時間が経過したことだろうか。
俺は傍らで火を起こす桐乃を目の端に留めながら、夕暮れの公園の入り口に視線を移した。
そんな俺の視線に気付いたのか、桐乃は少し肩をすくめて小さく笑った。

「絶対に来る。約束したんだもん」

「俺だってあいつのことは信じてるさ。……ただ、もうあれから三日も経ってるし」

「大丈夫。あやせがあたしとの約束を破るわけない」

そんな気丈な言葉とは裏腹に、心なしか桐乃の声は震えていた。
俺は桐乃の頭にそっと手を置くと、誰に語るともなく呟いた。

「俺はいまだに信じられねえよ。まさかこんなことが起きるなんてさ」

「あたしだってそれは同じ。でも、本当に起きちゃったんだから仕方ないよ」

「予言……。いつだったか、黒猫が言ってたっけ」

「松戸の方はどうなってるんだろ。無事でいてくれるといいけど」

桐乃は、真に黒猫の身を案じていた。
顔を合わせるたびに口喧嘩に発展するのが常の二人だった。
しかし、それもまた二人にとってはいつものご挨拶に過ぎなかったのかもしれない。

「影響があったのは、駅を中心とした限られた範囲だと思う」

「そっか、じゃあやっぱ……今はあやせのことが一番心配だね」

「あいつは殺したって死ぬようなヤツじゃない。絶対にどこかで生きてるって」

俺と桐乃はどちらともなく肩を寄せ合った。
食料はとうに尽きていた。こんなことで、空腹感を忘れるなんて出来ないこともわかっている。
それでも今の俺たちは、黙って焚き火の炎を見つめているしかなかった。
雲の切れ間から、二つ目の月が顔を覗かせていた。


ししまい

この中途半端にSFっぽいのがわたしの好みだ


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