過去ログ - ゲームは一日一時間
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13: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:20:20.95 ID:EnRHzSex0

気がついて携帯で時刻を確認したら、二十四時を迎えようとしていた。

身体が痛いと上体を起こし、ゆっくりと辺りを見回してみた。
どこだ、ここは。僕は、先ほどまで、自室にいたはずなのに。
「ええと」と、背後からの声に振り返ると、男が座っていた。

「こんにちは。あ。いいえ。こんばんはですか。どうも。こんばんは」

「こんばんは。あの。ここは、どこですか。そして、どなたですか?」

彼は、どこか頼りなさそうな、スーツ姿の青年くらいの男だった。
「これは、失礼しました」と慌てて謝罪の句を述べ、彼は言った。

「俺は。いえ。わたくしは、ただの記録係です。どうぞよろしく」

「この部屋に来たのも、何かの運命ですよ。たくさんありますし」

「わたくしでよかった、と思っていただければ、幸いなのですが」

記録係。何を記録するというのだろうか。僕の睡眠の様子をか?
とてもそうとは思えない。考えを汲んだかのように彼は続けた。

「ええと。この部屋は『一生のお願い』を叶える部屋なんですよ」

部屋と呼べるほど小奇麗なところではない。廃墟と呼ぶべきだろう。
よく見てみると、この部屋には窓も、そしてドアすらも存在しない。
深呼吸を繰り返しながら脳に酸素を送り、状況の整理を求めていた。

「お客様は、メールに対し『いいえ』とお答えなさったはずです」

「メール。ああ。幸せですか、という内容のメールでしょうか?」

「その通りです。ですから、幸せにしましょう、という部屋です」




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