19: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:23:50.14 ID:EnRHzSex0
件名 : ゲームは一日一時間
本文 : 一日を一時間にするゲーム
願いは取り消せないというのか。僕の願いは、聞き届けられたのか。
一日を一時間にするゲーム。世界のシステムすら、書き換えるのか?
人間が構築してきた定義そのものまでを、たった一つの僕の願いで?
「お願いします。取り消してください。こんなこと、あってはいけない」
「いいえ。もう、間に合いません。神様は、もう、はじめたのですから」
「お客様の想像された通りに、この世界は再び創造されてしまうのです」
青ざめていく僕を、彼もまた、蒼白になりながらも謝罪を続けていた。
「これは、もしかすると、神様の新たな試みなのかもしれません」と。
「だから『ゲーム』と称したのかもしれません」と、彼は続けていた。
「これは、覆せないのですか。僕は、一時間の世界で生きてゆくのですか」
「はい。ですが、方法は一つだけ、存在します。不幸になればよいのです」
「願いは、取り消されます。お客様は、この世界に戻ってこられるのです」
そうだ。その手があった。僕はこれから『不幸』になればいいのだ。
僕の意識が薄れていくのが判った。世界は今、創造されているのだ。
さらに大きくなる激しい地鳴りの後に、彼は声を絞り出し、言った。
「幸せになるために不幸になるには、探し出すしか、他にありません!か」
133Res/129.69 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。