31: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:30:49.10 ID:EnRHzSex0
「はい」
たった二文字の無機質なメールは、さらに不安を助長させていた。
これ以上探ろうとしても、僕は、何の答えも得られない気がした。
しかし、メールの送信者が観測者である以上、恐らく人であろう。
思い出した。
僕は、不幸にならなければいけない。彼はそう言っていたはずだ。
しかし、それに反して、送られてきたメールには、幸せとあった。
まずい。僕は、願いを取り消せなくなる。それだけは、いけない。
続けて、またメールの着信音が鳴った。
件名 : よろしくお願いします
本文 : あなたを幸せにします
さながら告白のようなメールだが、僕にとっては宣戦布告だった。
観測者もまた、彼と同様に人を幸せにする役目を担っているのだ。
それに反して、僕は不幸せにならなければならない。矛盾だろう。
僕は、幸せになるために、不幸せになるのだ。
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