36: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:33:24.16 ID:EnRHzSex0
職員室で、新規の部活を作りたいと話したが、却下された。
理由は単純だ。まずは部員がいないこと。五人はいるらしい。
そして顧問の先生もいないことだ。どちらも、難題であった。
「よし、諦める。個人でビデオでも見て練習することにする」
「君は、ずいぶん諦めがいいなあ。清々しいと言えるほどだ」
「どこか別のところでだってやれるし。一度はやりたいのよ」
と言って、彼女は鞄から台本を取り出した。外国のものらしい。
聞くところによると、先日見ていたビデオの書籍版らしいのだ。
「いつか、この演技、やってみたいのよねえ。頑張ろうっと」
「まずはできる環境を作らないと。僕も何かあれば協力する」
「そういえば、その本、僕も読めるかな?読みたいんだけど」
「ダメよ。読んだら、あなたに見せられなくなる。却下です」
どうやら、彼女は、僕に見せてくれるつもりのようだった。
ならば、諦めよう。楽しみは、後にとっておくものだろう。
「ああ。今日は、わたし、先に帰るから。用事があるのよ」
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