41: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:36:08.46 ID:EnRHzSex0
「遅くに申し訳ありません。彼の副担任をしている者ですが」
先生の口から、ここまで丁寧な言葉が飛び出したことに、恐怖していた。
あまりにも失礼だが、ギャップがありすぎる。先ほどの先生は、何処へ。
「すみません」と、遅くなった経緯を母に話してくれているようだった。
僕は、母に「すぐに戻るよ」とだけ告げ、先生をすぐに呼び止めた。
「ありがとうございます。わざわざ送って、説明までしてくださるなんて」
「いいんだよ。お前は、話し方戻ってんぞ。遅くなれば、親も心配だろ?」
「ああ、うん。そうだった。話し方。それじゃあ、また、明日。頑張って」
先生は「ああ、また明日な」と背を向け、手を振りながら去っていった。
何だか格好いいなあ、と僕は思わざるを得なかった。いい大人だと思う。
「ただいま。遅くなって、ごめんなさい。今度からは、気をつけるから」
「別にいいわよ。いい先生じゃない。今度会ったら、お礼を言わなきゃ」
両親もそこまで心配している様子ではなかったので、僕は部屋に戻った。
「ご飯は後で食べる」と、母に告げ、僕はベッドに入り、眠りに落ちた。
まだ、違和感は拭えなかった。
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