過去ログ - ゲームは一日一時間
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78: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 18:59:14.53 ID:EnRHzSex0

彼女の言葉通り、僕たちには、すぐに秋が来た。

夏は受験勉強で忙しかったそうだが、前年と同じく、夏祭りに行った。
そこでも、僕は彼女に好意を伝えることはなかった。かわされるのだ。
正しいタイミングではないというのか?それほど、上手く逃げられる。

そして、その頃には、学年の二十分の三の人数が亡くなっていた。

誰も、その事について不自然だと思わないらしい。神の力なのか。
日に日に減っていく同級生の席を見て、僕は、息が苦しくなった。

あと。あと少し、我慢すれば。僕が死ぬだけで、全ては元に戻るんだ。

そう言い聞かせて、僕はベッドの中で、毎日啜り泣いていたと思う。
僕と話してくれた同級生。他愛ない話でも、楽しかったものだ、と。
彼女の言う通りだった。いつか、面白いと思う日が来た。それが今。

何かしらの行事につけては、恋を語った。何もかもを語り合った。

それらが一つ一つ、走馬灯のように僕の中を駆け巡っていった。
僕が殺した。軽率に僕が願ったから、誰もが死んでいくんだと。

それまでの生活費は、生命保険と、ふたりの遺した預金だった。
少なくとも、僕の余命の日までは生きるには、十分すぎる程だ。
ねえ。お父さん。お母さん。また、いつもの笑顔で、笑ってよ。

この違和感は、どこから来ているのか、僕には未だに分からなかった。




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