97: ◆tSiWM5GIyDZg[saga]
2013/07/14(日) 19:12:40.11 ID:EnRHzSex0
「もしもし」
「ああ。まだ死んでないかしら。生きてるか。よかった」
「今、お取り込み中?けれど、ごめんなさい。割り込む」
「このままだと、あなた、死んじゃうんだもの。嫌だし」
「それに、せっかくキスまでしたのよ。死なれたら困る」
「言ったはずよ。わたしがあなたを幸せにしてあげると」
そうだ。よく考えれば、僕も自室で消えていたじゃないか。
「居ない?」と、母の困った声が聞こえていた、その理由。
「わたしのところにも来た」とそう言っていたじゃないか。
「まさか、あの部屋にいるのか」
彼女は、自らが不幸であると神様に訴えたのだ。
そして、あの文を見て、あの部屋に飛ばされた。
つまり、彼女が今やろうとしていることは一つ。
「やめろ。君は、自分の生を願えばいい。やめてくれよ」
「嫌です。わたし、バッドエンドを見るのは嫌いなのよ」
「準備はいい?ええ。わかった」
「あなたを、元の世界に返してあげる。幸せになってよ」
「一生のお願いなんだもの。叶わなければ、意味が無い」
「やめろよ。ダメだ。僕だって、バッドエンドは嫌だよ」
「ごめんなさい。あなたが生きてれば、わたしは、幸せ」
「わたし、言ったでしょう。自分勝手な事をする、って」
「幸せになった代償。わたしの幸せを、あなたにあげる」
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