38: ◆wPpbvtoDhE
2013/08/25(日) 23:43:05.27 ID:CKIXIKcR0
「高城ー、八重樫サン怒って帰っちまったぞ」
「え?えぇ……」
せかせかとカウンター内を動き回りながらも、一砂は木ノ下に返事を返す。
何か怒らせることをしたつもりは全く無いのだから、その理由が気になるが……今はそれどころではない。忙しい。
「で、オマエさんは何を話してたワケよ?」
年頃なのだし気にならないはずがない。木ノ下はニヤニヤしながら一砂に応答を求めた。
「それなんだけどさ、俺が店終わるまで待っててくれないか?」
「……なんで?」
よくわからない返事が戻ってくる。
「あそこの一人から、後で会いたいって言われて」
「ちょっ、マジ!?どの人!?」
木ノ下は驚きながらも背後を振り返る。
三人のうち誰からアポイントを受けたのか一砂に聞くために前を振り直るも、気になってもう一度背後を振り返る。
「声でけぇよ」
流石に迷惑だったのか、一砂は一瞥を送る。
「ショートカットの人が……で、なんか嫌な予感したから」
一砂の表情は芳しくない。それが何を意味するのか、木ノ下はすぐに理解した。
「八重樫サン、呼び戻しとこうか」
「……木ノ下は、心当たりがあるのか?」
木ノ下の反応と返事に、一砂は以前から抱いていた疑念を再度浮上させた。
木ノ下は返された言葉に思わず表情を強張らせている。
「後で、話すよ」
少しばかりの沈黙を置いて出した答えだった。
もう……このまま放置するのは無理だと、そう思えて仕方ない。
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