過去ログ - 佐天「100点を取れる能力かぁ」
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20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/15(月) 20:48:20.96 ID:Qm/PRGz90
男1「なんだぁ……テメェ」

???「ただの無能力者だよ」

無能力者、その言葉に佐天は内心ドキリとしていた。
駄目だ。 無能力者が男三人なんか相手に出来るわけがない。
この無能力者が武術を心得ている可能性もあったが、佐天の中で無能力者=弱者という方程式がここ最近成り立っていた。
だって無能力者は、この使えない能力を持っている私以下の存在なんだから。

???「君、大丈夫か」

その少年が佐天の肩に触れたとき、何かが砕けるような感覚がした。

佐天「あ、あれ? はい、大丈夫です」

佐天はいきなり身体の制御権が戻ってきて困惑していた。
しかし、それよりもこの無能力者に言いたいことがあった。

その感情は、膨れ上がって今にも爆発しそうだ。


佐天「あなたは、無能力者なんですよね」

それがどうかしたのか?と少年は言う。
どうかしたのか、じゃない。

佐天「無能力者のあなたがっ! あんな人たち三人を相手に出来るわけがないっ!!」

佐天「なんで……なんで見なかったことにしないんですかっ!」

佐天は自分の能力がいかに使えないか分かっていながらも、自分は無能力者以上の存在になったんだとばかり思っていた。
それは自分が無能力者でいる期間が長すぎたからなんだろう。
無能力者がどれだけみじめで愚かな存在なのか知ってしまっていたから。
その言葉自体にコンプレックスを抱いていた。
しかし、能力者になった私でもこんな場面で出て行ったりしない。
全然強くなってなんかいない。
私は今、無能力者以下なんだ。
そう、思ってしまった。

???「見なかったことになんて、出来るわけがないだろ……ッ」

佐天「でも……でも、あなたは無能力者。 なんの力もない非力な存在」

佐天「なのに、どうしてっ!」

???「無能力者とか超能力者とか、力が有るとか無いとか、そんなことは関係ないだろ」

???「俺はお前を助けたいと思ったからこうしてる。 ただそれだけなんだよ」

助けたい、その言葉の意味が分からない。
あの人にとって私とはなんだ、あったこともない赤の他人じゃないのか。
そして、同時に確信してしまった。

強い。 
この人は強い。
私なんかよりもずっと。

男1「お前ら、いつまでも無視してんじゃねぇぞォォ!!」

防戦一方だった。
当然だ。 歳だって対して変わらないだろうに三人を相手に勝てるわけがない。

初春「佐天さん。 あの人には悪いですが一旦離れましょう。 白井さんに連絡いれときましたから」

初春がひっそり囁く。
だが、

佐天「初春、私はあの人に追いつきたい」

初春「佐天、さん?」

佐天「今の私じゃあの人には色々と届かない……だけどね」

佐天には確かな『目標』が出来ていた。

佐天「だって、今の私は、夢にまで見た能力者なんだもんっ!」


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