過去ログ - 佐天「100点を取れる能力かぁ」
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25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/15(月) 21:46:26.98 ID:Qm/PRGz90
その後は佐天の独壇場だった。
今の佐天にはなんの100点を出すかを任意で決めることができた。
恐らくレベルが上がったのだろう。
しかし、佐天はそんなことなど気にしていなかった。
戦う、なんてことをしたかった訳ではないが、この無能力者の少年と背中を合わせて同じ舞台に立てている。
そのことが、ただただ嬉しかったのだ。

白井「ジャッジメントですの……って」

白井「どういう状況ですの、初春」

初春「あはは、説明しますね」

男たちが白井に捕えられ、自分たちも事情聴取のためにジャッジメントの支部へ向かっているとき佐天は無能力者の少年と話をしていた。

佐天「私はあなたの横に並べていたんでしょうか」

???「もちろんだ。 むしろ俺よりも活躍してたじゃないか」

少年はあくまでも素直に答える。

佐天「それは、あなたが私を変えてくれたからです」

???「それは違うさ」

少年はキッパリと言った。
そこに自重などは含まれているようには思えなかった。

???「俺が変えたんじゃない。 君が変わりたいと思ったから変われたんだろ?」

???「別に俺はなにもしてないさ」

佐天「でも、私はあなたを見たから変わりたいと思ったんですよ?」

皮肉でもなんでもない。
佐天は素直にこの少年のことがすごいと思ったし、この短い時間の中で憧れていた。
昔から、忘れてしまっていたけれど、私はこんな人になりたかったのかもしれない。
児童向けアニメの主人公のような、ただ真っ直ぐでひたむきな本当にヒーローになりたかったのかもしれない。

???「別に君なら、俺がいなくたっていつでも変われたさ」

本当に、面白い人だ。

佐天「あの、名前、なんていうんですか?」

???「ん? あぁまだ言ってなかったか」

上条「上条当麻だ。 よろしくな」

胸の高鳴りを感じた。
憧れ、理想像、恩人。
そんなものじゃない、私はこの人に……

佐天「私は佐天涙子です。 これからよろしくお願いしますね、上条さんっ!」

さっきまでよりも前向きになれた私は、その感情に戸惑う事なんてなかった。
ただ、この幸せを受け入れる。
それだけのことが簡単にできた。
しかし、本当の意味でこの幸せに向き合うためにはこの思いを伝えなきゃいけないんだろうけど。
顔が熱い。

上条「あぁ、そうだ。 涙子が俺に憧れてくれるのは別に構わないんだけどさ」

俺はそれほどの人間じゃないけどな、と言ってから続ける。

上条「女の子があんまり拳握って戦うのは、上条さんとしてはどうかとおもいますよ?」

一瞬何の事だか分らなかったが、すぐに理解した。
さっきよりも顔が熱くなった佐天は言った。

佐天「……上条さんのせいですもん」

ごめんごめん、と上条はいいながら。
(まぁ、平気で女の顔殴る俺が言えたことでもないかもな)
などと一人で考えたりしていた。


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