過去ログ - 上条「……誰だ、アンタ」禁書目録「――ッ!?」
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82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/27(土) 23:35:15.57 ID:36tOZUst0


病院の屋上は公開され、ちょっとした空中庭園になっている。
自分とインデックス以外にも、病院の患者たちが少なからずいて、心地よい風に吹かれていた。

ベンチに腰掛け、天を仰ぐ。
相変わらずの快晴だが、風が強い為にそれほど暑さは気にならない。
湿気ばかりが多くてムシムシと不快な日本の夏にしては、珍しい快適さがここにはあった。

空中庭園の花壇に植えられている草花は、アレルギー持ちの患者などに配慮してか、
当たり障りの無い、匂いの強くないようなモノしか無く、面白味に欠けていたが、
あの殺風景な病室で面白くもない雑誌を相手に時間を潰しているよりは余程マシと言えた。

傍らを見れば、フードを脱いだインデックスが、風の心地よさに頬を緩ませ、
青味かがった長い銀髪に指を絡め、櫛の様に梳かしていた。
もともの顔の造作の綺麗な彼女だが、この時はいつも以上に綺麗に見える。

――今の自分にとっては唯一、心置きなく話せる相手。
それがインデックスという、この謎めいた少女だった。

その理由はシンプルで、彼女だけは自分へと過去の『上条当麻』を押し付けてこないからだ。
今の自分が目覚めた時からずっと、彼女は自分の傍らにいて、黙って支えてくれたのである。
それが、上条トウマに心の安らぎを与えるのである。




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