過去ログ - あずさ「運命の人って、信じますか?」
1- 20
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/07/19(金) 00:31:39.46 ID:BaguKkaS0
私が、ステージに出ると、会場がしん、と静まり返りました。

『皆さん…私は〈運命の人を探す〉と言う理由で、アイドルを始めました…色々な情報が出ているようですけれど、私、決めたんです…だから、アイドル三浦あずさは、今日で皆さんとお別れになります…』

会場からは、すすり泣くような声も聞こえてきます。

『私は、事務所で最年長なんですけれど、いつも道に迷ってばかりで…スタッフの方々や、皆にも、迷惑ばかりかけてきました』

いつもいつも、律子さんや、伊織ちゃんには頼りっぱなしでした…頼りないお姉さんで、ごめんね…

『ファンの方々にも、こうして…』

…目の前が滲んで、どう言葉を続けたらいいの判らなくなってきました。

「あずさ…!」
「あずさお姉ちゃん!」

「伊織ちゃん…亜美ちゃん…」

2人の顔を見て、少し、落ち着きました。
まだ、私のライブは終わっていません。

『私を、送り出してくれること、本当に感謝します…!私が居なくなっても、765プロは無くなるわけではありません、他の子達の応援、よろしくお願いします!』

言い切った瞬間、会場の片隅から、拍手の音が聞こえてきました。
2階席に目を向けると、薄暗くて良く分かりませんが、男の方が手を叩いているようです。
その拍手をきっかけにして、会場中に鳴り響く拍手の音。
私を呼ぶ、歓声。
ファンの皆さんの温かい言葉。

私は、それだけで、胸がいっぱいになってしまいそうで。

『みなさん…本当にありがとうございます!』



『それでは…ここからは、三浦あずさソロパートですよ〜!』



デビュー曲である『9:02PM』、2曲目は『晴れ色』、3曲目に『ラブリ』、私と、皆の思い出がいっぱい詰まった、宝物です。

皆からの、温かいメッセージ。

その度に、私はもう、泣き出しそうで。

でも、同時に、物凄く楽しかった。

私は、幸運だったのかもしれません。

運命の人、心優しいファンの方々、心強い仲間。
そのすべてを、アイドルというお仕事で得る事が出来たのですから。

そして…ライブは、最後の曲目を迎えました。

『みなさん…次の曲が、私の最後のステージになります…曲は…『隣に…』です』

会場に満ちる、紫色の光。
その、ゆっくりと振られる光は、まるで私を送り出してくれるかのような、ゆっくりと、優しい動きでした。

私の、最後のソロ曲、そして、後に最大のヒット曲と呼ばれたこの曲を歌い終えたとき、私のアイドル活動は、終わる。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
24Res/33.94 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice