106: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/25(日) 05:51:15.32 ID:79dYTcmBo
「いやぁ、千秋ちゃん、店番させて済まなかったね。品物の発注遅れで買いに行く羽目になるたぁ……って、お客さんと、千秋ちゃん? いったい何があった?」
そう思っていると、からん、という音とともに、大きな台車を押しながらマスター入ってきた。そして、千秋さんの様子を見るや、台車をその場に放り出して、急ぎこっちへとやってくる。
『マスター、すみませんが汗を拭くものと、それと水を!』
「お、おう、ちょっと待ってろ!」
少し慌てた様子でマスターはカウンターへと向かい、二十秒ほど経って、タオルを二、三枚と、ペットボトルに入ったミネラルウォーターを抱え戻ってくる。
「ほらよ、これで汗を拭きな。それと水だ」
『ありがとうございます、マスター。とりあえず千秋さん、水を飲んでください』
「……ありがとう、Pさん、マスター」
彼女は少し朦朧とした様子でペットボトルの水を飲み始める。その間、私は彼女の肩にタオルを掛け、額を拭いていた。
そうしてようやく落ち着いてくると、どうも店内が酷く蒸し暑く感じる。クールビズの世の中、ワイシャツ姿の私でさえ、額に汗が浮かんできた。
マスターもそれに気づいたらしく、カウンターの方へと戻ると、何やらリモコンを操作していた。それと同時に、天井に三か所設置されている空調機が音を立てて動きはじめる。
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