109: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/25(日) 05:56:52.57 ID:79dYTcmBo
「お願い、聞かせてほしいの。どうだったかしら、”ガラス”の声ではなかった?」
少し期待を込める様な目だった。まるで頑張った子供が、成果を褒めてもらいたがっているように、思わず見える。
『……確かに”ガラス”の声ではありませんでしたよ』
根負けした私は、少しため息をつくと、少し目を細めつつそう言う。ところが、彼女はやはり、
「それで終わりなの?」
という目で見てくる。ようやく私は、その目が”褒めてほしがっている”のではなく、”忌憚のない意見を欲しがっている”のだと気づいた。
『あの声は、”氷”の声というのが、相応しいでしょうか』
「……どういう意味かしら?」
彼女は怒る様子も見せず、即座にそう訊き返してくる。私は、当然ながら”ガラス”の声の一件と同じく、それを上手く表現する方法を知らない。
ただ、少なくとも――。
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