112: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/25(日) 06:01:18.12 ID:79dYTcmBo
「私は、少し嬉しく感じているくらいよ、Pさん?」
私が少しばかり目を背けていると、彼女はそんなことを言う。少し耳を疑い、眉をひそめると、彼女の方へと再び向き直る。
『嬉しい、ですか?』
「ええ、率直に意見を言ってくれる人は、貴重だもの。私の周りの人たちは、私を褒めるか、お世辞を言うかしかしてくれなかったから」
どこか寂しそうに彼女は微笑む。その微笑に、思わずどきりとさせられる。いやはや、美人の微笑みとは、なかなか目に毒だ……。
「Pさん、もう一つ聞いてもいいかしら?」
そうして彼女は、どことなく確認ような、そんな口調で私に言葉を投げかけてきた。嫌な感じはしない。ただ、なんとなく冗談やお世辞で済ますべきではない。そんな気がした。
『……ええ、構いませんとも』
私は意を決して、そう答える。
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