12: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/07/21(日) 15:31:50.52 ID:V77nFIwLo
『失礼します』
私は再び声を掛け、扉を開ける。
「それで、こちらのアイドルは――」
「ええ、はい。人数は少ないですが――」
二人が商談をする声が聞こえる。私はその邪魔をしないように、可能な限り視界に入らないように慎重に茶請けと緑茶を置くと、さっさと社長室から退散する。
そもそも商談の最中に余人が入ること自体、あまりほめられたことではないが、まあ、そこは命じられたことなので仕方のないことだ。
そうして私は、とっとと自分のデスクへと戻る。なんだかんだで、私は広報としても、営業としても有能ではない。なので、仕事をこなすにはさっさと取り掛からないといけないのだ。
『あ、冷めてる』
ようやく口をつけることが出来たコーヒーは、ちょうどいいぐらいに温くなっていた。とはいえ、個人的には熱いコーヒーが好みではある。
ただ、いまさら淹れなおすのもどうかと思ったので、私はそれに口をつけ、少し啜る。
『冷めても、まあ、行けるかな……』
そんな感想を零しつつ、私は仕事に取り掛かった。
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