132: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/29(木) 14:39:41.27 ID:9rygtMkWo
「所詮は凡人の第六感だがね。それでも、ないよりマシさ」
社長は柔らかく微笑んだ。そして、顔の前で手を組むと、
「まあ、ともかく、七年間ご苦労だった。向こうでする仕事はもう決まっているのかね?」
と、尋ねてくる。
『いえ。ですが、おそらく営業か広報なのではないでしょうか。私が経験したことのある職種はそれぐらいですし』
「ふぅむ……。まあ、これも私の勘なので、聞き流してくれても結構なのだが」
社長は前置きを一つすると、至極真面目そうな表情で、
「存外君は、人の面倒を見るのが向いているかも知れない、と最近になって思いはじめてきたんだがね。もしかすると、そういう仕事に就くかもしれないな」
などと言うではないか。私は少し笑うと、
『はは、流石にそれはないでしょう。あの社長が少しぶっ飛んだ方というのは差し引いても、いきなり未経験の仕事に就けるような事はしないでしょうし』
私らしくもなく、そう言った。
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