184: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/09/09(月) 21:37:56.74 ID:0nmeJ36Po
「失礼します、社長。零細プロダクション、という所から移籍の話が来たのですが……」
と、何やらまた移籍の話らしい。やはり、プロダクションの規模と人員が釣り合っていないと言うのもあるのだろう。ただ、少し神妙な顔をしていた社長だったが、少し顔を綻ばせる。
「奇遇なこともあるものだな……」
『どうかなさったので?』
「いや、何。私が欲しかった人材がもう一人、手に入りそうだと思ってね。まあ、それは良い」
社長は少し咳払いをする。そして、私と千秋さんの方を見た。
「君たちには期待している。特に黒川くん。Pくんが言うには、君はトップアイドルになれるそうだからね」
「……ええ、期待していてください、社長さん。私も、やるからにはトップを目指すわ」
「良い気概だ。さあ、行きなさい。また明日、社屋内の説明と、きっちりとした入社式を君たちに行うからね」
そういって、彼は行きたまえ、という素振りを見せた。
『はい、それでは失礼をします、社長』
私は深く一礼をすると、そのまま踵を返し、千秋さんを連れて社長室から退出する。ばたん、という扉が閉じる音が廊下に響いた。
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