208: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/09/14(土) 04:17:55.76 ID:rrrgeDjMo
「ふふ、今からお金を貯め始めても、遅いかもしれないわよ?」
千秋さんは、私の手を握ったまま、そういって笑う。
その言葉の意味を、私が理解できないでいると、少し不満顔になる彼女は、ほんの少し顔を赤らめて、
「鈍いのね、Pさん。わかってちょうだい。ほら、その……。”そういう指輪”は、お給料の三か月分、というじゃない?」
と、私を見上げながら、千秋さんは少しはにかむ。
「三か月分も貯まるまで、私は待たないから。ね、Pさん?」
……その表情は反則だよ、千秋さん。
これほど、嬉しい心の叫び、という物はない。私は、その叫びを抑えて、彼女の手を引いた。彼女を、エスコートするために。
私が出来るのは、連れて行くことだけ。それしか、できない。
だから、あえて言葉に出す。
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