36: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/01(木) 15:06:47.12 ID:3Q9jeZWOo
『……今日は、早めに来てみるかな』
独語し、私は店の奥にある、小さなステージを見た。まだ何も置かれていないそこは、夜になるとアマチュア奏者やセミプロ奏者の披露の場となる。
マスターいわく、ここで演奏した人で後々、プロになった人もいるらしい。それが例え誇張だったとしても、少なくとも私がこの店で聴いた奏者で、下手な奏者はいなかった。
無能な私などよりもずっとずっと、マスターは人を見る目があるのだと、思った。
「サラダセットとブレンドコーヒーだ、お客さん」
『ありがとうございます』
マスターが私の注文した昼食を持ってきてくれる。トーストが一枚、サラダが一つ、ブレンドコーヒーが一杯。自分でも質素な食事だと思う。
ただ、味は保障できる。特に、コーヒーの味は良い。……本業がバーなのに、コーヒーがおいしいのは少しあれだとは思うが。
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