46: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/05(月) 01:22:55.24 ID:Fg9GCM/jo
「隣、空いているかしら?」
そう、声を掛けられた。私は特に気を払うこともなく、書類の枚数を確認しながら、
『ええ、どうぞ』
と言った。そうして、枚数とページ数があっていることを確認して、ようやく声の主が何者なのか、を確認するため、顔を上げる。
そして、私は一瞬、呆気に取られることになる。
「ありがとう。それじゃあ、失礼するわね」
そこにいたのは、あの女性。毅然とした表情と、余裕さえ感じられる落ち着いた雰囲気。傍で見ると、その美術品の様な美しさに、どうしても目を奪われる。
一切の混じりけのない、しなやかで純粋な黒い長髪と、触れれば崩れてしまいそうなほど繊細に見えながら、みずみずしい活力を放つ白い肌。
それは独特の味わいと深みを映し出す、年代物のピアノさながらのコントラストを生み出していた。
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