過去ログ - モバP「凡人と第六感」
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62: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/11(日) 03:17:56.77 ID:fDDiOZLHo
 私は、やはり頭の中で整理をしつつ、目まぐるしく言葉を探した。

 そして次の瞬間、ティンと来た。そう表現するしかない。もし私の頭の上に電球があるなら、ぴかり、と光っている事だろう。

『……そうですね、”ガラスの声”、という表現が一番しっくりきそうです』

 なんというか、胸のつかえが取れた気分である。そうだ、彼女の声はまさに”ガラスの声”なのだ。

 とはいえ、それを上手く説明することはできない。彼女の声を表現する言葉を見つけたと言っても、それは私の中での話であり、そこで帰結してしまっている。

 さて、どうやって彼女に説明し、そして説得するか。そう私が考え始めた時だった。

「……なるほど、分かったわ」

 千秋さんは、キッと鋭い視線を私に投げかけると、ゆっくりと立ち上がる。

 そして、

「マスター、二日間お世話になったわ。ありがとう」

 と言って鞄を持ち、かつり、かつりとヒールの音を鳴らして店の出口へと向かっていく。



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