過去ログ - モバP「凡人と第六感」
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63: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/11(日) 03:19:03.76 ID:fDDiOZLHo
「おう、またおいでよ、千秋ちゃん」

「ええ、そうさせてもらうわ。それと……」

 千秋さんは、出口の前でくるり、と振り返る。ふわり、とその長い黒髪が弧を描く。

 そして、彼女は射抜くような目で、私を見据える。……なんだか、蛇に睨まれた蛙の気分だ。

「また、お会いしましょう、Pさん?」

『え、あ、その』

「……ふふ、それでは、ごきげんよう」

 彼女はくすりと笑う。怒っていないのだろうか、と私は思ったが、むしろ上機嫌にさえ見える。一体どういう事だろうか。

 そんな風に考えた次の瞬間には、ちりん、という小さな鈴の音を鳴らし、彼女は扉を開けて去って行った。



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