87: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/17(土) 05:38:23.93 ID:4Y+/Hkh9o
ずんずん、一人で社長室の出口へと歩いていく。行動だけ見ていれば唯我独尊、傍若無人とでもいえそうだ。だが、その裏には、しっかりと綿密に織り込まれた配慮が見え隠れしていた。
効率的な行動を好みつつも、人を見る才能と、人を使う才能に長けているのだろう。私はそう感じた。
そうして、社長ともども、呆気に取られているうちに、シンデレラガールズの社長は帰って行った。社長室の外で、二番手プロデューサーが挨拶している声が聞こえる。
社長室に残されたのは、私と社長と、ちょっと冷めた、ほとんど手つかずのお茶であった。私はゆっくりと息を吐くと、
『……どうしろって言うんですかね』
と、独りごちた。それは誰に対する問いかけでもなかったのではあるが、隣に居た社長が答えを返してくれるのは、ある種必然と言えた。
「君の、好きなようにしていいんだよ、Pくん。私は君の意思の全てを尊重しようと思う」
『しかし、それでは……』
この事務所が立ち行かなくなってしまう。そう言おうとした。だが、その言葉を出すことはできない。私が、そんなことを言うことはできない。
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