9: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/07/21(日) 15:30:06.32 ID:V77nFIwLo
こぽこぽと音を立てて入っていくコーヒーミルから離れ、私は一旦自分の席に戻ると、有線放送の電源を入れる。適当にチャンネルを回して、音量を調節した。
『こんなものかな』
私は小さく呟くと、一息をつく。
この有線放送は、何年も前に社長が設営したものだ。ただ、今では使う人もほとんど居らず、なんとなく私がその管理をしていた。社長も、”せっかく契約したのだから、どうせなら流してもいい”と言ってくれた。
無趣味な私ではあるが、音楽を聞くことは嫌いではなかった。かといって、どこかに音楽鑑賞へ行ったり、ライブを見に行ったりと言うことはない。
ただ、嫌いではない、と言うだけの話。端的に言えば、どこにでもいる一般人の”音楽好き”である、と私は思っていた。
そうして私は音量調整に満足すると、給湯室へ出来上がったコーヒーを取りに行き、自分の席へと着いた。
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