90: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/17(土) 05:40:14.69 ID:4Y+/Hkh9o
「君は、平凡と無能の違いを理解したほうがいい。君は君の言うとおり、きっと平凡なのだろうけどね、無能じゃない。それは忘れてはいけないよ」
私はわけがわからないまま、その言葉をとりあえず頭に刻む。昔、劇団に所属した時の名残だ。意味は分からなくとも、とにかくセリフを覚える必要があったが故の産物である。
なんにでも手を出した、中途半端がゆえの副産物が、こんなところで生きるとは思わなかったが……。
「まあ、ゆっくり考えるといい。会社のことは考えず、君がどうしたいか、それをしっかり考えたまえ。さ、行きなさい」
社長はそういって、ひらひらと手を振り、私に退出を促した。その促しに従い、私は社長室を後にする。
結局、何が何やら分からぬままだ。社長の言葉も、シンデレラガールズの社長がなぜ私を引き抜きに来たのかも、全部である。
一つため息をつき、給湯室でコーヒーを入れると、私はそのカップを片手に自分のデスクへ向かう。
217Res/148.60 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。