93: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/08/17(土) 05:41:43.73 ID:4Y+/Hkh9o
「へ、お仕事、取ってこれたんですか? 凄いですね、Pさん」
彼はそういって、少しばかり嬉しそうに封筒を受け取るのだ。私は少し不思議に思い、尋ねる。
『……凄い、とはどういうことですか?』
「ああ、いえ、営業で新規の顧客を獲得する、というのはなかなか難しいことなのですよ。かくいう私も、新規営業で顧客を獲得したのは数えるほどしかないですからね」
彼は羨ましそうに笑い、お世辞を並べ立ててくれる。
「営業の彼女も、十件ほどしか成功していない、と言っていましたし、Pさん実は営業の才能があるんじゃないですか? はは」
『そんな、私なんてどうしようもない無能ですから……』
「またまた、そんな謙遜は不要ですよ。彼女が産休に入るにあたって、我々は得意先の営業が割り当てられて、Pさんには新規営業が割り当てられたわけですけど、社長に認められたってことでしょう?」
『は、はあ』
私は思わず相槌を打ったが、そんな話は聞いた覚えがない気がする。
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