過去ログ - [安価]勇者「人外っ娘ハーレムを作ろうじゃまいか!」
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321:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/25(木) 00:56:14.65 ID:h/ZUPlVr0
「〜」

「〜〜」

勇者「お、人がいるじゃん」


今にも崩れそうな神社、そのお賽銭箱の前に二人の人が座って楽しそうに談笑していた


巫女「あら、これは懐かしい。人間のお客さんです」


巫女と…いや、もう一人は鬼だった。人間と鬼、しかもその人間は巫女、対照的な人が二人並んで楽しく談笑する様はものすごく美しく、非現実的で、どことなく儚かった


鬼「…まったく、もう何百年ぶりといったところかもな。彼女も喜んでいるだろうか」

勇者「あの、ここって…」

巫女「見ての通り神社ですよ、もう廃墟ですが」

鬼「とっくの昔に忘れちまった神社さ…そう、とっくの昔に…」


そう言いながら愛おしそうに神社のボロボロの柱を撫でる鬼


鬼「ここは、もう何百年も前に人に見捨てられた神社。来る道も行く道も木々に覆われ、誰も来ることが無い、誰も訪れられるはずの無い神社」

勇者「訪れられるはずが無い?」

巫女「えぇ…だってそうでしょ?来る道なんて獣道一つ続いてないはずですもの…そんな中この小さな神社を見つけられるのはありえない。もしかして、あの子が寂しくてあなた方を呼んだのかもしれません」

天狗「それだ。この神社、変な気配は感じるものの神の気配を少しも感じないんだ。何故だ?どこにいる」

巫女「…いませんよ」

勇者「え?ここって神社だろ?」

鬼「…神ってのはね。信仰心があってこそなんだ。誰かに崇められて、誰かに頼られて初めて存在できる」

巫女「人間にその存在を忘れられ、頼られることの無くなった神は…そうですね、私たちの感覚で言えば死んでしまいます」

勇者「じゃあここの神って…」

鬼「…あぁ、彼女はここが人々に捨てられて何年もたったある日、急に姿を消してしまったよ。」

巫女「…今ではここは抜け殻です。思い出だけが、あの子の記憶だけが薄っすらと染み付いた抜け殻…人間が一人も訪れなくなってしまったのです。それも仕方が無いこと」

勇者「人間が一人も訪れないって、あんたは」

巫女「…何に、見えます?」

勇者「見えるも何も普通の人間だろ?」

天狗「…」

巫女「…人間、そう…ですか」

勇者「違うのか?」

巫女「…えぇ、そう、ですね」


そう言いながらニコリと微笑んだその顔はどこか嬉しそうで、でもどこか切なさが漂っていた


鬼「…やはり、君が呼んだんだな」ボソッ


巫女「そうだ、ついでです。いい機会ですので境内を見て回ってあげてください。時間があるなら、でいいですが。…あの子も、喜んでくれるかもしれません」

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