9: ◆5m18GD4M5g
2013/07/23(火) 06:04:04.69 ID:IGMx8iqL0
 その日の夜。 
  
 アルミンはミサカを呼んだ。人気のない場所に。 
  
 アルミン「ミカサ。君は人を傷つけたんだよ。その自分勝手なエゴで」 
  
 ミサカ「? なんの話?」 
  
 ミサカはキョトンとする。 
  
 アルミン「罪を被せたことだよ。あの事件はミサカが用意した自作自演だ」 
  
 ミサカ「言っている意味がわからないアルミン。私は被害者だよ? クリスタに傷つけられたの・・・」 
  
 話にならない。なにが彼女をここまで変えてしまったのかそれとも変わってないのか。いままでその機会が無かっただけで、ずっと前からミカサが内包していた素なのか。  
  
 アルミン「僕は一度も『クリスタ』なんて聞いてないよミサカ・・・」 
  
 ミサカ「そう」  
  
 平然と答えた。 
  
 アルミン「なんでって聞くのは野暮かな」  
  
 ミサカ「そんなの勿論エレンのため」  
  
 自分の為の間違い。自分勝手な行動をエレンの為と言う言葉で誤魔化していた。  
  
 アルミン「ミカサはどうしたいの?」  
  
 ミサカ「また前みたいに、三人で一緒に居たい」  
  
 こんなにも離れて感じる。友達と、親しい人間といつまでも一緒にいたい。 それは当たり前の感情なのに、なんでこんなにもいけない事なんだろう。  
  
 現実は残酷だ。 
  
 アルミン「……クリスタを[ピーーー]つもりかい?」  
  
 ミサカ「バレたら嫌われるでしょ?」  
  
 嫌な言い方だ。 
  
 笑顔。喜色満面の笑顔。 怖いくらいに純粋な。 
  
 アルミン「僕は君の味方にはなれない。全てエレンに伝えさせてもらうよ」  
  
 ミサカ「……そう、じゃあ口封じしないと」  
  
 実力差がある。 特に運動能力に関しては。  
  
 アルミン「がっ……!」 
  
 蹴られた。 
  
 這い蹲るアルミンの腹部めがけて飛んできた足は、対応できる速度を超えて、回避はおろか防御も出来ない。 
  
 アルミン「げほっ……。君は卑怯者だ! 正面から告白できずに見ているだけで! エレンと付き合えたクリスタに嫉妬して暴れてる子供だ!」  
  
 ミサカ「アルミンにはわからない!」  
  
 アルミン「わかりたくもないよ! いまの君の気持ちなんて僕はわかりたくない! エレンを自分の物にしたいなら逃げずに正面から立ち向かえよ!」 
  
 ミサカ「このっ!?」 
  
 拳が振り上げられる。全力で。 
  
 けれど拳はいつまで経っても落ちてこなかった。  
  
 エレン「ミサカ・・・」 
  
 エレンがアルミンを守っていた。 
  
 そして、三人が再び一緒になることはなかった。 
  
 でも・・・これで物語が終わったわけではない。 
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