10: ◆ZL3cxe4sn.
2013/07/24(水) 21:06:53.12 ID:T4zEPUC30
事務所を出ると、外はしとしとと雨が降っていた。明かりが消え薄暗い階段を注意しながら下る。
折りたたみ傘を取り出す。雨が夏の暑さを洗い流していた。
P「……小鳥さんとご飯食べに行きたかったなー」
これから食べるひとり飯を考えると少し前の提案が後ろ髪を掴む。
小鳥さんの家に行けるなんて最高じゃないか! ……甲斐性なしなので行けないけど。
P「はぁ。根性なしだな自分……ん?」
気の早い人たちの出した燃えるゴミ袋の山の中に、意中の人がいた気がした。
……幻覚かな?
小鳥「…………すぅ」
……幻聴かな?
P「こ、ことりさーん?」
傘を差し出す。よく見ると服が肌に張り付いている。ちょっとエロい……じゃなくて!
それだけ雨に降られてたってことだよ!
上気している頬を軽く叩いてみる。ぺちぺちと。
軽く曲げられた体をこちらに向け、薄く目を開く。
小鳥「うん……あ、プロデューサーさんだー」
P「酔ってますね?」
小鳥「よってらいれふ」
まぁ酔ってますよね。呂律回ってないですし。
濡烏色の髪が額に張り付きとろけたような目で見られると否応なく鼓動が早くなる。
P「ふ、服濡れますよ?」
小鳥「べつにみるひとなんていないですしー」
P「……いますよここに。あ、違くて、風邪ひきますよ」
小鳥「……ぐぅ」
うん、こんなところで寝ちゃ風邪ひいちゃうよな。ここら辺ホテルとかもないし、自分小鳥さんの家知らないし。
……だからここで小鳥さんをおんぶして自分の家に連れて帰るという行為は一切の下心などなくて純粋な心配心とか老婆心とかからであって首筋とか背中とかに神経を集中して感触を感じてしまうことも不可抗力なわけで腕にむにゅっとした感触を感じてわっほいになってしまうのも別に下心とかスケベ心とかじゃなくてああもう! かわいいなぁ!
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