過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part5
1- 20
575: ◆llXLnL0MGk[saga]
2013/08/08(木) 10:55:16.89 ID:wXB/oYyN0

――海皇宮。

サヤ『申し訳ありません、ヨリコ様ぁ。他勢力の協力要請を得られませんでしたぁ』

サヤからの通信を聞いた海皇ヨリコは、静かに頷いてみせた。

ヨリコ「ええ、そうだろうと思っていました」

サヤ『ええっ!? 失敗するって分かってサヤを行かせたんですかぁ!?』

驚きを隠せない様子のサヤに、ヨリコが説明を始める。

ヨリコ「私達の目的は、地上を海に沈める事。もうこれだけで大半の組織にはこちらに協力する
   メリットはありません。それどころか脅威であるとさえ考えるでしょう」

サヤ『じゃ、じゃあ危険なんじゃ……』

ヨリコ「サヤ。あなたは会談中、または会談の前後に海水を浴びましたか?」

サヤ『えっ、はい……会談前に必ず……』

ヨリコ「その光景は十中八九相手に見られています。それはウェンディ族の弱点が露見した事を意味します。つまり」

サヤ『つまり……?』

ヨリコは一度言葉を切り、モノクルを掛けなおして続けた。

ヨリコ「彼らから見てウェンディ族は『弱点が分かりきっている上に少数勢力、いつでも叩ける取るに足らない相手』
   ……となるでしょう。まあ、思い切った賭けでしたが」

サヤ『あっ……あれ? 少数勢力というのは……』

ヨリコ「『大事な会談に一人で現れる、それほどに人員不足な組織』ということです」

サヤ『なるほどぉ』

ヨリコ「後は彼らのマークが外れている間にこちらの準備を進めるだけです。万一攻めてこられても、
   海はこちらのホームグラウンド。敗れる道理はありません」

そう言ってヨリコは穏やかな笑みを浮かべた。

サヤ『んふっ、やっぱりヨリコ様は策士ですねぇ。では、サヤは帰還いたしまぁす』

ヨリコ「その前にサヤ。護衛に付けたイワッシャーが見えないようですが……」

途端にサヤがバツの悪そうな顔をした。

サヤ『あ、あーえっとですねぇ……実はさっきカースに遭遇しまして……』

ヨリコ「カースに? 破壊されたのですか?」

サヤ『あ、いえ……なんというか、その……取り込まれてしまって……』

ヨリコ「…………」

予想外の報告に、ヨリコも開いた口が塞がらない。

辛うじて、どうにか言葉を搾り出す。

ヨリコ「……カースドヒューマンならぬ、カースドイワッシャーという訳ですか……」

――――――――――――
――――――――
――――


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/644.22 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice