過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part5
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609: ◆llXLnL0MGk[saga]
2013/08/10(土) 22:02:06.80 ID:K8eBLBnD0

??「何故なのですか? 何故わたくしだけが……」

とある大きな屋敷の一室で、少女が執事風の男に詰め寄る。

執事「それは危険だからでございます。旦那様も奥様も、星花お嬢様の事を思えばこそ……」

星花「危険なのはみな同じでしょう? それなのにわたくしだけ安全に護られているというのは、
  納得いきませんわ。わたくしにも、戦うための力はありますのに……」

執事「ご自愛下さい、星花お嬢様。確かに貴女様は戦えます。しかし、だからといって必ずしも
  戦う必要は無いのでございます。GDF、アイドルヒーロー同盟、ナチュルスター等……
  既に戦っている者は大勢おります。お嬢様が危険を冒す必要なございません」

やがて星花は俯き、力なく呟く。

星花「……わかりましたわ」

執事「ご理解いただけてなによりでございます。では、お夕飯の準備が整いましたら、まだお呼びに伺います」

そう言って執事は部屋から出て行った。

星花「…………ごめんなさい、お父様、お母様」

執事が部屋から離れていくのを足音で確認した星花は、ケースからバイオリンを取り出した。

星花「星花は……悪い子になります」

星花がバイオリンを構え、演奏を始める。

すると、部屋の隅に鎮座してある大きな鉄の人形が、鈍い音を立てながら動き出した。

星花「……ストラディバリ、開演。……では、お願いいたしますね、ストラディバリ」

ストラディバリ『レディ』

ストラディバリと呼ばれた人形は握りこぶしを作り、壁に向けて叩き付けた。

轟音と共に壁は崩れ去り、大きな穴がぽっかりと開いている。

星花「ありがとうございます。では、ストラディバリ。わたくしを連れ出して下さいな」

ストラディバリ『レディ』

ストラディバリは星花をヒョイと抱き上げ、壁の穴から飛び降りた。

そして着地の寸前、ストラディバリは機械音と共に姿を変えた。

その姿は、さながら神話に登場するユニコーンのように見える。

星花「家出……ですわね。ドキドキしますわ……行きましょう、ストラディバリ」

ストラディバリ『レディ』

星花が手綱を握ると、ストラディバリは夕日が沈む方角に向けて走り出した。

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