過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part5
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◆llXLnL0MGk
[saga]
2013/08/12(月) 03:42:11.07 ID:3R8NXU9G0
――海皇宮。
サヤ「ヨリコ様ぁ、ただいま戻りましたぁ」
ヨリコ「ああ、いい所に帰ってきてくれましたサヤ」
サヤが帰還報告の為に海皇の自室を訪れると、携帯端末を片手にヨリコが出迎えた。
サヤ「どうかしたんですかぁ?」
ヨリコ「ええ。帰ってきて早々ですが、至急サヤに頼みたい仕事があるのです」
携帯端末を手放す事無く、ヨリコは少し興奮した面持ちで続ける。
ヨリコ「少し私用で地上へ行くので、護衛をお願いしたいのです。留守中の事は、参謀達に任せてあります」
サヤ「はぁ……」
ヨリコ「では、お願いしますね」
言うが速いか、ヨリコはテーブルの上にいくつか置いてある小箱の内一つを引っつかんで部屋を出て行った。
サヤ「……はぁ、まぁた地上の美術品ですか?」
足早についていきながら、半ば呆れ顔でサヤは尋ねる。
ヨリコ「はい。前々から目をつけていた品が、とうとうオークションに出品されるという情報があったのです」
海皇ヨリコは最近、地上の美術品に凝っている。最早部屋を埋め尽くさんレベルで。
持ってきた小箱の中身は、大方、あの傭兵への報酬と同じ大真珠だろう。
地上の通貨に換金して、オークションの軍資金にするつもりらしい。
ヨリコ「前回に出品された時は惜しくも手に入らなかったので、今度こそは……」
サヤ「……うふっ」
ヨリコ「……どうかしましたか?」
サヤ「いいえぇ?」
いつものヨリコからは想像もつかない、無邪気な表情。
こういう時ばかりは、「真面目で心優しい海皇」から、「年頃の女の子ヨリコ」に戻るのだ。
そのギャップに、思わずサヤは吹き出してしまった。
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