18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/31(水) 10:41:14.37 ID:4khTNzHz0
鳴は、唐揚げをひとつ小皿にとって食べた。
「おいしい」
「よかった」
肩の力が抜ける。
なんだ、こんなに緊張していたのか、ぼくは。
少し多目に見えた弁当も二人で空にして、食後のデザートを食べていた頃。
「足、本当に速かったんだね」
りんごをかじっている鳴が云った。
「サッカーとかバスケとか団体競技は苦手なんだけどね。走るのは好きなんだ」
正直に云うと、ぼくは嘘を吐いていた。
医者には一ヶ月は安静、それから徐々に運動を再開していくように云われていたが、クラスの足を引っ張りたくなかったというか、今まで走れなくて溜まった鬱憤やらを吹き飛ばしたくて、今日だけは本気で走った。
一位とまではいかなかったが、それなりに上位の成績だった。少なからず痛みはあったけれど、肺のパンクを恐れず全力で走るというのは久しぶりのことで、やはりとても気持ちがいい。
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