過去ログ - 八幡「だから…………さよならだ、由比ヶ浜結衣」
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271: ◆QiIiNKb9jA[saga]
2013/08/20(火) 19:53:12.50 ID:2PQsvWzg0
顔が熱くなるのを感じて思わず手を頬にやって撫で付ける。微笑んだままの由比ヶ浜を横目に俺は自転車を押して歩き

出す。遅れて彼女も後をついていく。……とりあえず頭に浮かんだ疑問をぶつけでもしないとやってられん。

「お前アホのくせになんでそんなこといちいち覚えてんだよ……」

「ヒッキーはいつも変なことばっか言うからあたしの頭でも記憶に残りやすいんだよ」

「ああ、そうですか……」

そんな変なこと言ったつもりはないんだがな……しかし、言ったことが変じゃないと仮定したところで由比ヶ浜の言う

ことに変化があるとも思えなかった。だから、また俺は黙るほかなかった。

そしてまたしばらくは沈黙が続く。聞こえてくるのはカラカラと鳴る自転車のチェーンの音と車道のクルマの音くらい

のものだ。この辺りは住宅街なので街灯はあってもそこまで明るくはない。だから、向こうから俺の表情を読み取ること

もできないだろう…………いや、少し後ろを歩いているからどっちみち死角か。


「……ねぇ」

後ろから声がかかるとなんとなくその歩みを止めてしまう自分がいる。

「……なんだ」

「まだ……無理そう?」

“まだ”という単語には二つほど身に覚えがあるので誤魔化しということではなく、ただ単純に訊き返す。


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